人生のことば | 吐露アンプリファー

人生のことば

良い言葉とその言葉に対するコメントとの相乗効果により、もとの言葉が一層生きてくるということはよくある。


以下に引用する。





『のぞみをもって旅をするということは、のぞみに到達するよりも良いことなのだ』





<略>人生という長旅では、のぞみに到達した喜びはほんの一瞬のことにしかすぎないことは、この歳になるとよくわかる。<略>




(人生のことば 積水化学工業社長 大久保尚武著 日本経済新聞12月16日夕刊 あすへの話題 より)




大久保氏がどのような人物なのかはよく知らないが、積水化学の社長であるということから考えるとそこそこの年齢は重ねていると思われる。


その大久保氏がコメントで「この歳になるとよくわかる」と述べていることによって、もとの言葉がずっしりと説得力を持って且つすんなりと自分の中に入ってきた。


人間は慣れや飽きを覚える生き物だということを考えるとのぞみに到達してそれが当たり前のものとなればそのときの喜びというものはやはり一瞬のものとなる。のぞみを持って(たとえそれが叶わなかったとしても)人生を歩み続けるということは、その永続的な行為自体に凄い大きな意味があると僕も思う。


人生論なんてものは自分の考える人生観をごたごた理論的にこね回すよりも、人生の先輩方の経験談を聞いたり読んだりし、それを反芻し、そこから自分の人生論に少しずつフィードバックして洗練させて行った方が確実に前に進める気がする。