会社は誰のものか | 吐露アンプリファー

会社は誰のものか

違和感を感じることがあったので、それを以下に引用しておきます。




<前略>


株主利益を直接拡大しようとすると、配当を増やすとか、自己株を取得して(流通株数を減らし)株価を上げるとか、短期的視点の経営に陥りがちだ。これでは長期的に見て本当の株主利益につながらない。


<中略>


社会から歓迎されない会社は、どんなに良い製品やサービスを提供しても長期間、収益を上げるのは無理だから、社会貢献も必要になる。その上で、利益がたまって、株価が上るとか配当とかで株主に還元する順番になる。


―株主利益を求める投資家がそれで納得するか。


「会社が理念を示すことが重要だ。例えば米医薬品メーカージョンソン・エンド・ジョンソンには、『我が信条』という社是がある。優先順位の1番目は医者や患者などの顧客だ。2番目は従業員、3番目は地域社会で、最後の4番目が株主となっている。」


「なぜかと言うと、株主利益を最優先して最初に利益をはき出してしまうと、長期的に成長できないという考え方だ。株主利益を最大化する循環論としてはわかりやすい。実効性の高い優先順位だ。それで長く増収増益を続けている。」


<後略>



(読売新聞2005年10月31日朝刊 6頁目 鳥飼重和 M&Aと企業防衛 ~会社は誰のものか[5]~ より)




経営に関する詳しいことはわからないが、M&Aがお盛んな昨今、「株式会社は誰のものか」ということに対し「株式会社は経営陣のモノではなく『株主』のモノだ、日本ではこの考え方が甘い」ということがマスコミでよく取り上げられていた。


しかし、このこととは逆説的に、M&Aの本場アメリカの大企業ジョンソン・エンド・ジョンソンがその社是の中で株主の優先順位を最後の四番目にしていることに対し凄い違和感を感じた。


それが書きたかっただけです。はい。